「孤高の悪女」で名高い悪役令嬢のわたしは余命三か月のようなので、最期に(私の想い人の)皇太子の望みをかなえてあげる予定です。なにか文句ある?
「アイ、助けてくれてありがとう」
アポロニアが抱きついてきた。
「わたしじゃないわ。お礼なら、コルネリウス、いえ、皇太子殿下に言うべきよ」
「殿下より、やはりあなたよ。あなたは、いつだって助けてくれる。それは、わたしだけじゃない。ここにいるみんなそうよ。ねえ、みんな?」
アポロニアが周囲に問うと、みんな口々に「そうです」と答えた。
意味がわからないわ。
というのが率直な感想。
「それよりも、皇太子殿下。元凶がいなくなったところで、想い人に告白なさったらどうですか?」
「孤高の悪女」のわたしとしては、コルネリウスが嫌がることを無理矢理やらせたい。
「そうだな。そうしよう」
が、意外にも彼は即座に応じた。
そして、アポロニアと彼女に抱きつかれているわたしの前に立った。
「ずっと好きだ。ぜったいにしあわせにする。面白いこともたくさんある。だから、妻になって欲しい。いや、夫にしてください」
それから、美貌を真っ赤に染めて告白した。
ずいぶんとかわった告白だけど、素敵よね。
またしても胸が痛い。
痛みに耐えながら、アポロニアの返答を待った。
現実にはそんなに経っていないでしょうけど、彼女は押し黙ったままである。
この胸の痛みは、彼女が返答することでなくなるはず。なぜかそう直感した。
だからこそ、はやく返答して欲しいのに。
アポロニアが抱きついてきた。
「わたしじゃないわ。お礼なら、コルネリウス、いえ、皇太子殿下に言うべきよ」
「殿下より、やはりあなたよ。あなたは、いつだって助けてくれる。それは、わたしだけじゃない。ここにいるみんなそうよ。ねえ、みんな?」
アポロニアが周囲に問うと、みんな口々に「そうです」と答えた。
意味がわからないわ。
というのが率直な感想。
「それよりも、皇太子殿下。元凶がいなくなったところで、想い人に告白なさったらどうですか?」
「孤高の悪女」のわたしとしては、コルネリウスが嫌がることを無理矢理やらせたい。
「そうだな。そうしよう」
が、意外にも彼は即座に応じた。
そして、アポロニアと彼女に抱きつかれているわたしの前に立った。
「ずっと好きだ。ぜったいにしあわせにする。面白いこともたくさんある。だから、妻になって欲しい。いや、夫にしてください」
それから、美貌を真っ赤に染めて告白した。
ずいぶんとかわった告白だけど、素敵よね。
またしても胸が痛い。
痛みに耐えながら、アポロニアの返答を待った。
現実にはそんなに経っていないでしょうけど、彼女は押し黙ったままである。
この胸の痛みは、彼女が返答することでなくなるはず。なぜかそう直感した。
だからこそ、はやく返答して欲しいのに。