闇堕ちしたエリート医師は一途に禁断の果実を希う
* * *
「ミチノク嫌い」
「そんなこと言うなよ」
ベッドで横になっている小手毬の肩まで伸びた髪を、自由は宥めるように撫でる。小手毬がびくぅと身体を硬直させる。
事故当初は短く切り揃えられていたベリーショートも、今では肩まで伸びた。それでもあの頃の腰まで届く長髪を知る自由は、早く髪が元の長さに戻ればいいのにと思ってしまう。
小手毬は自由に撫でられるのを嫌がるように、ゆるやかなウェーブを描く髪を振り払う。他人に触れられることに過剰になっているようだ。自由はそっと手を放す。
「ジュウ兄ちゃんがいい」
「気持ちは嬉しいけど、僕はまだ、小手毬の主治医になれないんだよ」
なれるものなら今すぐにでもなりたいのにと自由はきゅっと拳を握る。小手毬は陸奥が主治医であることを快く思っていないようだ。
懐いているように見えたのは気のせいだったのだろうか? いや、彼女は精密検査の時間が長くて機嫌を損ねているだけだろう、明日になればけろりとした表情で、「ミチノク」と名を呼ぶに違いない。
「そうなの?」
「そうなの」
「ミチノク嫌い」
「そんなこと言うなよ」
ベッドで横になっている小手毬の肩まで伸びた髪を、自由は宥めるように撫でる。小手毬がびくぅと身体を硬直させる。
事故当初は短く切り揃えられていたベリーショートも、今では肩まで伸びた。それでもあの頃の腰まで届く長髪を知る自由は、早く髪が元の長さに戻ればいいのにと思ってしまう。
小手毬は自由に撫でられるのを嫌がるように、ゆるやかなウェーブを描く髪を振り払う。他人に触れられることに過剰になっているようだ。自由はそっと手を放す。
「ジュウ兄ちゃんがいい」
「気持ちは嬉しいけど、僕はまだ、小手毬の主治医になれないんだよ」
なれるものなら今すぐにでもなりたいのにと自由はきゅっと拳を握る。小手毬は陸奥が主治医であることを快く思っていないようだ。
懐いているように見えたのは気のせいだったのだろうか? いや、彼女は精密検査の時間が長くて機嫌を損ねているだけだろう、明日になればけろりとした表情で、「ミチノク」と名を呼ぶに違いない。
「そうなの?」
「そうなの」