人質として嫁いだのに冷徹な皇帝陛下に溺愛されています

 イレーナは寝間着(ナイトドレス)の裾を持ち、挨拶をした。

「イレーナでございます。このたびはよろしくお願いいたします」

 顔を上げるとそこには皇帝陛下。
 目を合わせるのも恐ろしい。

(ああ、どうしてベッドにダイブしちゃったんだろう)

 イレーナは先ほど自分がおこなった行為を後悔していた。
 しかし、意外にもヴァルクはイレーナの興味に乗ってくれたのである。

「このベッドが気に入ったのか?」
「え? あ、はい! とても寝心地がよくてうっかり寝そべってしまいました。お許しくださいませ」
「そうか。そんなに気に入ったなら、いくらでも堪能すればいい」
「はい。ありがとうございま……きゃあっ!」

 礼を言っている途中に、イレーナはヴァルクに抱き上げられてしまった。

「へ、陛下……あの……」
「どうした? 気に入ったのだろう? ほら」
「きゃああっ!」

 あろうことか、ヴァルクはイレーナをベッドに放り投げたのだ。
 身体が沈んだかと思うと、ふわっと反発し、ふたたび静かに沈んでいく。
 イレーナは底知れぬ快感を覚えて、思わず「ああぁ……」と妖艶な声を上げてしまった。

(なんって気持ちいいのー!)




< 13 / 177 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop