人質として嫁いだのに冷徹な皇帝陛下に溺愛されています
イレーナは寝間着の裾を持ち、挨拶をした。
「イレーナでございます。このたびはよろしくお願いいたします」
顔を上げるとそこには皇帝陛下。
目を合わせるのも恐ろしい。
(ああ、どうしてベッドにダイブしちゃったんだろう)
イレーナは先ほど自分がおこなった行為を後悔していた。
しかし、意外にもヴァルクはイレーナの興味に乗ってくれたのである。
「このベッドが気に入ったのか?」
「え? あ、はい! とても寝心地がよくてうっかり寝そべってしまいました。お許しくださいませ」
「そうか。そんなに気に入ったなら、いくらでも堪能すればいい」
「はい。ありがとうございま……きゃあっ!」
礼を言っている途中に、イレーナはヴァルクに抱き上げられてしまった。
「へ、陛下……あの……」
「どうした? 気に入ったのだろう? ほら」
「きゃああっ!」
あろうことか、ヴァルクはイレーナをベッドに放り投げたのだ。
身体が沈んだかと思うと、ふわっと反発し、ふたたび静かに沈んでいく。
イレーナは底知れぬ快感を覚えて、思わず「ああぁ……」と妖艶な声を上げてしまった。
(なんって気持ちいいのー!)