今はまだ、折れた翼でも
「やだー。だりいよ」



隣の席の男の子が愚痴をこぼしながら、椅子を揺らして天井を見上げている。

その前の男の子がその姿勢を面白がって、お腹にシャーペンの芯を差す。



「いってえ!」


「こら、静かにしろっ!」



こっちに向かって大声を出したのは担任の山川先生。厳しいし豪快なところがあるけど、情に厚い。



「こいつがいたずらしてきたんだよ!」


「大声を出したのはお前だろう!」



先生がそう言うと、クラス中が笑い出した。私も、つられて笑ってしまう。

毎日、こんな学校生活が続いている。もちろんこうやってクラスのみんなで笑うのは楽しいけれど、ずっとは疲れてしまう。


だから私は、友達作りが苦手なんだと思う。

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