浮気されたら、エリート整形外科医に溺愛されました【完】

突然の再会

暑い。 とにかく暑い!!
妊婦の夏はこんなにも暑いものなのかと、今日も朝からエアコンを効かし、朝食を採る。


じりじりと照り付ける8月中旬の太陽は妊婦である私にはとても辛く、外出するのが億劫になってしまう。

そうはいっても仕事には行かなければいけなくて、いい年した大人がわがままなんて言っている場合じゃない。

妊娠6ヶ月を迎え、胎動も感じられるようになった。
お腹の子の性別は女の子とわかり、少しずつ母親になるという実感が湧いてきた今日。

ご飯を食べながら朝の情報番組を観ていると芸能人同士の不倫報道が流れており、嫌気が差した私はリモコンを手に取るとすばやくチャンネルを変更する。

どうも、浮気とか不倫だとかいう言葉には敏感に反応してしまうようになって、淳史との件は月日が流れた今も完全にトラウマとなっていた。


「朝から気分悪……」

「いいじゃないの。 水姫には関係のないことよ」


そう言いながら、ポリポリと漬物を食べている母。
母はそういった芸能情報にはまったく興味がなく、見向きもしていない。

ある意味寛大だなぁ、なんて関心していると「あら、そういえばねぇ水姫」と、なにかを思い出したように私を見た。


「水姫、明日仕事休みだったでしょう? おばあちゃんの定期受診に付き添って欲しいのよ」
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