浮気されたら、エリート整形外科医に溺愛されました【完】

Happy Wedding Day

桜川病院のシンボルである桜の木の葉も、赤や黄色に色付く10月吉日。

風はもう、冬の気配を運んできている。



「新婦様、大変にお綺麗でございますよ」

「ありがとうございます」


鏡の前に座っている、真っ白なウェディングドレスに身を包んでいる私の背後から声をかけてくれたのは、衣装担当の神崎さん。

長い髪を綺麗に結い、最後に仕上げのティアラを付けてくれた。


「新婦様、本当にプリンセスのようでございますね。 こんなに素敵な新婦様で、新郎様も幸せですね」

「いえ。 私の方が、望さんに幸せにしてもらっています」


そんなことを言いながら、自然と顔がほころんでしまう。


爽やかな秋晴れの今日。 
私と望さんは、結婚式を挙げる。

元カレとの妊娠がわかり、1度は離れようとしたけれど、運命が私たちを再会させてくれた。

すべてを受け入れてくれた望さんや、大好きな周りの人たちに囲まれて、私たちは今日、夫婦になる。


「こんな素敵にしていただいて、なにからなにまでありがとうございます」

「とんでもございません! お腹への負担はございませんか?」

「はい。 それは全然大丈夫です」


私がそう言ったのと同じタイミングで、赤ちゃんがお腹をポコンっと蹴っ飛ばした。
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