浮気されたら、エリート整形外科医に溺愛されました【完】
なんだか、それが「わたしも、くるしくないよ」と言っているみたいで、少しだけおかしく思えてしまう。

だけどやっぱり愛おしくて、優しくお腹を撫でた。


「お腹、あまり目立ちませんね」

「はい。 ドレスを着たら目立つと思ったんですけど……なんとか大丈夫そうです」


私と望さんが運命的な再会を果たした頃。
予定していなかった結婚式を、母の提案で急遽挙げることに。

私の体調面を考慮しつつ、準備を進めないなければならなかったため、10月に式の予定としていた。

お腹の赤ちゃんは8ヶ月を迎えており、お腹の膨らみもかなり目立つようになっていた。

ウェディングドレスを着たら一際目立つかと思っていたけれど、どうやらそんなに目立っていないようで安心。

神崎さんと話をしていると、コンコンっとノックの音が聞こえてきた後「新婦様、新郎様が、チャペルでお待ちです」と、望さんの衣装担当の方の声がした。


「では新婦様。 チャペルへと参りましょうか」

「はい。 よろしくお願いします」


神崎さんの手を取ると、転ばないようにと配慮されたヒールが低めの靴を履き、チャペルへと向かう。

このチャペルで、ゲストが入るまでに望さんにウェディングドレス姿をお披露目することになっている。
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