再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。

「ねぇ、メリーは魔族のことどう思ってる?」
「魔族、ですか? 嫌いなのです」
「そ、そっか」

 わかってはいたけれど、予想通りのはっきりとした答えに苦笑してしまう。
 同時にちくりと胸が痛んだ。
 先ほどリューは、妖精だけじゃなく花の王国の人たちも自分を嫌っていると言っていた。
 
(ティーアも、魔族や……リューのこと、嫌っているのかな……)

 花の城でのふたりのやりとりを思い返すと、確かにあまり良い印象は持っていないようだった。
 私がリューと一緒になることも、竜帝妃となることも、友人は良く思っていないのだろうか。

(だとしたら、結構ショックかも……)

 と、メリーがぷくうと頬を膨らませた。

「だって、魔族が魔王を復活させたのですよ」
「!? なにそれ、初耳なんだけど!?」

 私は思わず目の前のメリーをもふっと両手で挟むように持って立ち上がっていた。

「えっ、えっ、知らなかったのですか?」
「知らなかった!」

 7年前、私がこの異世界に喚ばれたときにはすでに魔王が復活し魔物が世界に溢れていた。だから私が喚ばれたわけなのだけれど。
 でもそのきっかけまでは聞かされていなかった。

 ――その者たちが何らかの意志を持って動き出したのだとしたら、厄介だ。

 先ほどのリューの言葉。

(魔族が、また魔王を復活させようとしてるかもしれないってこと……?)

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