再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
7年前、魔王の手からこの世界を救って、意気揚々と自分の生まれ育った世界に戻ったのに、結局上手くいかなくて。
再びこの世界に戻って来たら私のせいでまた魔王は復活して、皆を……この世界で出会った大切な人たちを死なせてしまった。
じわりとまた涙が溢れてきて、両手で顔を覆う。
(メリー、ローサ、エル、カネラ王子……本当にごめんなさい)
私がもっとしっかりしていれば。
私がもっと聖女の名に相応しい人間だったなら、こんなことにはなっていなかったのに。
7年前、私が魔王を封印出来たのはやっぱりマグレだったのだ。
向こうの世界でだって何の役にも立たなかった、誰にも必要とされていなかった私に、そんな大役が務まるわけがなかったのだ。
(今だって、聖女の力があっても何も出来ないのに……っ)
――コハル!
そのとき、ふいに懐かしい声を聞いた気がした。
(リュー皇子?)
私はゆっくりと顔を上げる。