再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
愛
第86話
7年前はリューと私のふたりだけだった。
でも今は違う。
花の女王ティーア
氷の女王ブランカ
妖精王エルフェイツィー
この世界の3人の王がこの場にいてくれる。
それに、砂漠の国の王子であるカネラ王子。
竜騎士のローサ。
妖精のメリーもいる。
こんなに心強いことはない。
それに……。
私は自分のお腹に手を当てる。
そこはまだ熱を持っていて、でも熱いわけじゃなくてとても温かい。
ここには、リューと私の赤ちゃんがいる。
(リューに、早く伝えたい)
でも今は先ず、ブランカの言う通り目の前にいる魔王を封印してしまおう。
そうすればきっとリューも元の彼に戻るはずだ。
しかし魔王は私たちを前にけたたましい笑い声を上げた。
今や魔王は赤い眼だけが不気味に輝く化け物に成り果てている。
『 これで勝った気でいるなよ貴様ら! 』
そのときズシンっという重い地響きがして鍾乳洞全体が揺れた。