再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
私はもう一人の王、竜帝リュークレウスを見上げる。
彼は私を優しい眼差しで見つめてくれていた。
そして、私たちは魔王をまっすぐに見据える。
『 おのれぇ、一度ならず二度までもおぉぉぉっ!! 』
無様に蠢きながら怒鳴り散らしている魔王に向かって私は静かに言う。
「何度だって封印させてもらう。だから、もうこっちに出てこようなんて考えないで」
私の髪がざわざわと浮き立つ。
――今こそ、私に与えられたこの奇跡の力を使うときだ。
魔王に両手を向け、私は言い放つ。
「この世界から消えて!」
雷鳴のような轟音と共にまばゆい閃光が魔王を貫く。
『 ギャアアアアアーー!! 』
更には5人の王が編み出した光の輪が魔王を取り囲む。
その光の輪はみるみる小さくなっていき魔王を容赦なく締めつけていく。
『 覚えていろ……いつか必ず、オマエを手に入れてやるからな、聖女よ…… 』
最後に7年前と同じそんな恨めしそうな声を残して、魔王の姿は光の中へ溶けるように消えてしまった。