再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。

 一気にシラけたような顔をするブランカ。

「なんだよ。あのいけ好かないおっさん漸く引退したんじゃないのかよ。でもアンタ王子なんだろ? この際いいんじゃね?」
「そんないい加減な」

 そんな王子の肩にぽんと手を置いたのはエルだ。

「だって、君が次の砂漠の王になるんだろう?」

 カネラ王子はびっくりしたように目を丸くして、でもすぐに頷いた。

「まぁ、確かに」

 簡単に納得してしまった王子にちょっと苦笑して、でも彼はそれでいいと思った。

 気付けば彼ら5人の王(うち一人は未来の王)が魔王を取り囲んでいた。
 ずっと魔王に剣先を向け動きを封じてくれていたローサがそれに気付いてじりじりとその場を離れる。

『 貴様らああああああー!! 』

 魔王が悔し気な雄叫びを上げる。

「大人しくおウチに帰りな、魔王!」

 氷の女王ブランカが声高に言い放つ。

「せめて僕が生きているうちは、もう出てこないでくれるかい」

 優しい声音で、でも冷え冷えとした目で魔王を見据えている妖精王エルフェイツィー。

「覚悟なさい、魔王」

 いつもの優しさを潜め、花の女王としての威厳を纏ったティーア。

「んじゃ、そういうことで~」

 未来の砂漠の王カネラが、そんな軽い口調でひらひらと手を振って。
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