偽る恋のはじめかた
トイレでしばらく考えていて時間が過ぎたからか、気持ち悪さのピークは超えた気がした。
(席に戻って今日は隙を見て早めに帰ろう)
気持ち悪さはだいぶ良くなったものの、まだ頭の中でお酒が回っていて、足元は少しふらついていた。
トイレを出て飲み会の席に戻ろうとゆっくり歩いている時だった。こちらに向かってバタバタと走ってくる足音が耳に届いた。
「椎名さん!
だいじょう・・・・・って顔色悪いな」
お酒が回っていて重くなった頭をあげた。
私に投げかけられたこの声は———、