御曹司様、私、別の人を好きなまま貴方の妻になります
両親は鳴宮財閥とのつながりを喜んでいてその気になっているし、玲二さんも昨日「どんなことがあっても婚約破棄だけは受け入れない」と言われた。


「逃がさないよ。花鈴は俺のものなんだから」


そう言った玲二さんの顔は普段のままだった。

玲二さんの企みも分からないままだ。

なぜ私のような小さな企業の令嬢に結婚を申し込んだのか。


「嫌味なくらい私を愛するフリは上手いのね」


そう呟いた自分の言葉が何故か胸を槍のように貫いた。
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