夕陽を映すあなたの瞳
やがて花火の開始時間が近づき、三人は部屋に戻る。

「ここから花火が見られるなんて、凄いね!なんて贅沢!」
「ホントネー!」

心とサラは、ワクワクした様子で窓から外を見る。

「じゃあ、消すよ」

昴が、部屋の電気を消した。

しばらくして…

ヒュー、ドドーン!という大きな音と共に、花火が打ち上がった。

「うわー、目の前よ!すごーい!」

次々と夜空に浮かび上がる大きな花火に、心もサラも興奮してはしゃいだ声を上げる。

「綺麗ねー。あ、ニコちゃんマーク!Sarah, did you see that?」
「ミター!ニコチャンー!」
「あはは、ニコちゃんー!」

そんな二人を、昴は少し後ろから微笑んで見守る。

「Sarah, is this your first time なの?Japanese fireworks 見るの」
「ソウナノー!So, I’m so excited!」

ぷっと昴は小さく吹き出す。

("そう"なのか"so"なのか、もう訳分かんないな)

まるで幼い少女のような笑顔の心とサラ、そしてそんな二人の横顔を綺麗に彩る花火を、昴も嬉しそうに眺めていた。
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