世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
「俺のこと、こんなどうしようもない俺のこと好きになってくれてありがとう。俺の為に沢山笑ってくれて、いつも隣に居てくれてありがとう……心奈には幸せになってほしいって心から思ってる。派手な見た目と違って心根が優しいことも知ってるし、裏表がなくて無邪気で泣き虫で……真っすぐに嘘偽りなく人を愛せる人だと思ってる……だからこそ俺は……心奈の真っ直ぐな愛情に応えてやることが出来ない」

心奈が首を振ると俺の胸元をワイシャツごと握りしめた。

「やだ……好きじゃなくてもいい。いつかほんのちょっぴりでいいから好きになってくれたらいいの。多くは望まないから……」

「俺は……もう一生梅子さんしか愛せない」

心奈の綺麗な二重瞼からはとめどなく涙があふれて無数に落下していく。

「人を愛する気持ちってさ理屈じゃないんだよ。ただ心臓から想いが溢れて止まらないんだ。そばに居たくて声が聴きたくて、この世の何もかもが梅子さんが隣に居ないと色づかない。だから俺は……この会社を捨ててでも梅子さんを取りにいく……もう何一つ後悔したくないから」

「世界……」

「だから……心奈はもう俺なんかの為に泣くな。俺は……心奈の笑った顔のが好きだからさ」

俺は心奈からそっと身体を離すと心奈の頭をくしゃっと撫でた。小学校の頃、よく転んで大泣きする心奈を泣き止ませるためにこうして慰めていたことをふと思い出す。

「……ひっく……そんなことしたって……泣き止んであげないから……」

「心奈、沢山泣かせて……ごめんな」

どのくらいそうしていただろうか。心奈が目を真っ赤にしながらも、泣くのを止めるとふと俺を見上げた。

「世界が好き……ずっと大好きだった。初恋を……ありがとう。今まで……隣に居させてくれてありがとう……」

そういうと、心奈の綺麗な瞳からはまた涙の粒がひとつ流れ落ちた。俺は親指でそっと掬う。

「心奈、俺こそ……今までそばに居てくれて……隣で笑ってくれてありがとう」

「世界」

心奈が俺の名を呼び、その掌が俺の頬に触れたと思えば、心奈の唇が俺の唇に重ねられた。そしてすぐに離されれば、心奈が悪戯っ子みたいな顔でにこりと笑った。

「魔法かけといてあげた。私より世界が幸せにならない魔法」

「は?……それどうゆう魔法?呪いじゃね?」

「そうね、呪いかも」

心奈が人差し指を立てると俺の額をツンと突いた。

「世界が源課長と末永く幸せになりませんようにっ」

そして心奈が悪戯っ子みたいな顔で笑った。

「……オマエな……」

俺はそう返しながらも心奈らしい別れの挨拶に、俺たちは子供の頃のように暫く顔を見合わせて笑った。
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