世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
「そっか……思い出が詰まってると色々……思い出すよね」

「すいません、気つかわせるような話で……」

梅子が首を左右に振ると、にこりと微笑んだ。

「ううん……私も父を亡くしてるから、御堂くんと同じってわけでは全然ないんだけど思い出って自分を助けてくれることもあれば、辛くなっちゃうこともあるわけで……」

「……そうすね」

こんなふうに両親のことを話すのは久しぶりだ。話せば思い出して両親がこの世にいないことを実感してしまう俺は極力両親のことは誰にも話さないようにしていた。

(不思議だな……梅子さんに話すと心が軽くなる……)

「俺、小さい頃、両親に約束したんです。いつか社長になって今より会社をもっとデカくするって。いまのうちの会社って世間からの認知度も需要もやっぱ水回り関係の商品が主ですけど、それだけじゃなくていつかインテリアも展開したくて」

「インテリア……?」

「はい、俺経営と一緒にインテリア設計も学んだんです。うちのシステムキッチンに使用してる大理石天板やトイレにつかってる陶器を素材にして退化性、耐久性に優れた次世代のインテリアをいつか新商品としてだせたらなって」

「すごい……素敵なアイディア」

梅子が目を見開いて俺の瞳を真っすぐに見つめた。

「新しい何かを生み出したり新しいことにチャレンジするってすごく勇気のいることだから、御堂くん若いし、私みたいに臆病になる前に色んな経験してほしいな」

(臆病か……)

梅子の言葉をきいてふと思う。
もしかして梅子は俺とのことも含めて恋愛に臆病になっているのだろうか。

梅子はどう思ってるのか分からないが、俺からしたら、梅子はまだ三十四だ。人生経験も社会人経験も二十代より積んで、さらに女性としての色気も魅力も増す年代なんじゃないだろううか。
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