世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
世界にパクリと食べられた唇から熱を帯びて全身が火照りそうになる。

私が世界の胸をトンと押すのと世界が私から唇を離すのがほぼ同時だった。

「ば、かっ……何すんのよ!」

世界は舌先で下唇をなぞると唇の端を引き上げた。

「だって、俺の質問に疑問形で返すってことは、イエスってことじゃん」

「……ど、れだけポジティブなのよ」

「はじめに言っときますけど、マジで好きです。まだ一日しか一緒に過ごしてないですけど、もっと梅子さんを知りたいし、俺のことも知って欲しい」

こういう時なんて返事をするのが正解なんだろう。頭で考えようとしながらも世界の真剣な顔に段々と深く考えることをやめてしまいたいと思う自分に気づく。

(でも……歳……)

「梅子さんの顔に書いてありますけど、そんなに歳気になります?」

「っ……当たり前でしょ、御堂くんと私じゃひとまわり違うのよっ。それにそもそも何で私なのよ」

「あー、その話、禁止。キリないじゃん。一目ぼれって言っても信じてくれないだろうし」

「当たり前でしょっ、一回りも年下のあなたがなんで私なんかに一目ぼれすんのよっ、ありえないでしょっ」

世界が盛大にため息を吐き出した。

「めんど。もういいです。そのうち、理由も分からせますし、思い出してもらうんで。ただ二人の時は世界って呼んでよ」

「な、ばかっ、いきなり呼べるわけないでしょっ」

世界がまた画像をちらつかせる。

(がきんちょめ……あんな画像とられるなんて梅子一生の不覚だわ……)

「はい、呼んで」

「無理だって……」

「そんなこと聞いてないです。言ってよ、バラまかれたくなかったら」

暫く世界の目を見つめていたが、世界は私から視線を逸らすことなく私が名前を呼ぶのをじっと待っている。
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