世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
(はぁ……頭いてぇ)
前髪を握りながら俺は見積課の扉をあとにすると、言われた通りエレベーターに乗り、最上階の10階のボタンを押した。ガラス張りのエレベーターはあっという間にテッペンへと辿り着き、扉が開けばすぐに俺は社長室へと真っすぐに向かっていく。
(大事な話ってなんだよ、さっさと切りやがって)
伯母であり社長である由紀恵と俺との関係はひどく曖昧だ。由紀恵は俺の母親、香奈恵の実姉でTONTON株式会社創始者である俺のひい爺さんである陶山翔太郎の孫娘だ。そして俺の祖父である陶山倫太郎の娘にあたる。病弱だった倫太郎には跡継ぎとなるべく男子に恵まれず倫太郎の死後、創業時から同族経営を続けてきた陶山家は、由紀恵と香奈恵の二人のうち長女である由紀恵を社長に就任させ現在に至る。
俺は両親の死後、由紀恵の庇護のもと何不自由なく育てられたが、幼い時から会社の為ならどんな犠牲もいとわない由紀恵の経営のやり方が好きではない。
(あの完璧冷徹女に会うと思うと、ため息しかでねぇな)
ただ由紀恵は女でありながら、男顔負けの並外れた経営力で社長に就任して以来、革新的な商品開発と並行して同業他社の買収をすすめ、わが社の衛生陶器の販売実績は世界トップシェアを誇る。
(いつか……俺がこの会社を動かしてやる)
──コンコン
「どうぞ」
聞きなれた冷たい声が返ってきてから社長室の扉を開け、中へと入る。そして俺は社長の横に立っている人物を見つけると頬が引きつった。
「世界ーっ」
甘ったるい声と共に心奈の腕があっという間に右腕に絡みついてくる。俺は黙ったまま黒革の椅子に腰かけ、背筋をピンと伸ばしている伯母である由紀恵の前まで歩くと、軽くお辞儀をした。
前髪を握りながら俺は見積課の扉をあとにすると、言われた通りエレベーターに乗り、最上階の10階のボタンを押した。ガラス張りのエレベーターはあっという間にテッペンへと辿り着き、扉が開けばすぐに俺は社長室へと真っすぐに向かっていく。
(大事な話ってなんだよ、さっさと切りやがって)
伯母であり社長である由紀恵と俺との関係はひどく曖昧だ。由紀恵は俺の母親、香奈恵の実姉でTONTON株式会社創始者である俺のひい爺さんである陶山翔太郎の孫娘だ。そして俺の祖父である陶山倫太郎の娘にあたる。病弱だった倫太郎には跡継ぎとなるべく男子に恵まれず倫太郎の死後、創業時から同族経営を続けてきた陶山家は、由紀恵と香奈恵の二人のうち長女である由紀恵を社長に就任させ現在に至る。
俺は両親の死後、由紀恵の庇護のもと何不自由なく育てられたが、幼い時から会社の為ならどんな犠牲もいとわない由紀恵の経営のやり方が好きではない。
(あの完璧冷徹女に会うと思うと、ため息しかでねぇな)
ただ由紀恵は女でありながら、男顔負けの並外れた経営力で社長に就任して以来、革新的な商品開発と並行して同業他社の買収をすすめ、わが社の衛生陶器の販売実績は世界トップシェアを誇る。
(いつか……俺がこの会社を動かしてやる)
──コンコン
「どうぞ」
聞きなれた冷たい声が返ってきてから社長室の扉を開け、中へと入る。そして俺は社長の横に立っている人物を見つけると頬が引きつった。
「世界ーっ」
甘ったるい声と共に心奈の腕があっという間に右腕に絡みついてくる。俺は黙ったまま黒革の椅子に腰かけ、背筋をピンと伸ばしている伯母である由紀恵の前まで歩くと、軽くお辞儀をした。