世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
「五円玉はね!ご縁を運んできてくれるのっ!だから小銭の中で一番大事にしなさいって死んだお父さんが言ってたんだから!」
男は眉を寄せながら怪訝な顔をしている。私はさらに肺に空気を入れて膨らませた。
「よって!あなたの五円玉をバカにする考え方は間違ってる!ましてや五円玉を踏みつけるなんて言語道断!この私が成敗してくれるわ!もう二度と五円玉もご縁もバカにすんなよ!ケツの青いガキンチョめっ!」
「な……ケツ? 青い? ……」
ついに、ポカンと口をあけた男に背を向けると私は無駄にした十分間を取り戻すようにパンプスを鳴らしながら全速力で駅へと走り出した。
この時はまだ全く気づいていなかった。この日の出会いが戦国の世の将軍のごとき、ただ目の前の仕事に一心不乱に邁進してきたバリキャリと呼ばれる私の人生を揺るがすことになるとは。
そして、まさか一回りも年下の彼の虜になってしまうとは。
──梅子さん、大好きです。
何でも彼の想うツボで、気付けば彼の掌の中で転がされる羽目になろうとは……。
源梅子、三十四歳十ヶ月。この時の私はつゆ程も思って居なかった。
男は眉を寄せながら怪訝な顔をしている。私はさらに肺に空気を入れて膨らませた。
「よって!あなたの五円玉をバカにする考え方は間違ってる!ましてや五円玉を踏みつけるなんて言語道断!この私が成敗してくれるわ!もう二度と五円玉もご縁もバカにすんなよ!ケツの青いガキンチョめっ!」
「な……ケツ? 青い? ……」
ついに、ポカンと口をあけた男に背を向けると私は無駄にした十分間を取り戻すようにパンプスを鳴らしながら全速力で駅へと走り出した。
この時はまだ全く気づいていなかった。この日の出会いが戦国の世の将軍のごとき、ただ目の前の仕事に一心不乱に邁進してきたバリキャリと呼ばれる私の人生を揺るがすことになるとは。
そして、まさか一回りも年下の彼の虜になってしまうとは。
──梅子さん、大好きです。
何でも彼の想うツボで、気付けば彼の掌の中で転がされる羽目になろうとは……。
源梅子、三十四歳十ヶ月。この時の私はつゆ程も思って居なかった。