タロくんとハナちゃん
「ハナちゃん、パジャマまで可愛い!」
「あ、これ私のお気に入りのパジャマです!
生地が柔らかくて、着てて気持ちいいんですよ!
おまけに、デザインも可愛いですし」

「へぇー!
フフ…なんか嬉しいな!」
「え?」

「僕はきっと、まだまだハナちゃんのこと知らないことが多いと思うんだ!
これから、ずーっとハナちゃんと片時も離れずにいるでしょ?
色んなハナちゃんを知れると思ったら、嬉しくて!」
「はい…!」


寝室に移動し、ベッドに横になった太朗が「おいで、ハナちゃん!」と両手を広げた。
頷いて、横に寝ると抱き締められた。

「んー、ハナちゃんが腕の中にいる~!幸せ~!」

華子も太朗の胸に顔を埋めて、幸せを感じていた。

(ほんと、幸せ……!
…………今日はほんと、色々あったな…
引っ越して、パーティーしてもらって、剛史くんに━━━━━あ…!)

「あ、あの、タロくん」
埋めていた胸から顔を上げた華子。

太朗は微笑み、華子の頭を撫でた。
「ん?なぁに?」

「剛史くんは、今、どうしてますか?」

ピタッと、太朗の頭を撫でる手が止まった。
「どうって?」
思わず、声と雰囲気が落ちる。

「え?あ、もう一度ちゃんとお断りをしなきゃなって思って」

「必要ないよ」

「え?」

「てか!会わせないよ」

「た、タロくん?」

「あいつは、ハナちゃんを傷つけようとしたんだよ?
そんな奴に会わせない」

「タロくん…」

「もう、やめよ。
こんな、僕達が幸せになれない話なんか……」
太朗とは思えない、低く重い声。

「あ、は、はい」
華子は、少し怯えながら返事をした。

太朗は、更に華子を抱き寄せキスをした。
そして頭を撫でながら微笑んだ。
「ほら、ハナちゃん。
もう、寝よ?
ほんとはハナちゃんとエッチしたかったけど、疲れてるだろうし我慢するから」

「はい。
タロくん、おやすみなさい」
「うん、おやすみ!」

かなり疲れていたのか、華子は目を瞑って10分程で眠ってしまった。

「寝顔も、可愛い……!」
太朗にとって、華子の全てが可愛い。

容姿も、声も、雰囲気も、華子を形作る全てが……

こんなに全てが愛しいと思う人に出逢えて良かったと、華子を寝顔を見ながら噛み締めていた。
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