また、星の下で君に会えたなら。~彦星の生まれ変わりは織姫女子を溺愛する~
「あれがベガで織姫。あっちがアルタイルで彦星。かぁー」
結花は数年前、理科で教わったことを思い出す。
確かベガとアルタイルは光の速さで15年分離れていると教えてもらった記憶がある。
昔は、そんな距離、七夕の1日だけじゃ行き帰りも出来ないじゃないか。と思っていたが、、、。
「光の速さで15年分だと私だったら諦めるわ~」
そろそろ首が痛くなってきたので正面を向こうとした時。
「確かに七夕の日だからって2つの星が特別、近付くわけではありません。だから昔の人は、たらいに水を張ってそれに2つの星を映し、水をかき混ぜて2つの星の光をひとつにしてあげたそうですよ。」
何処からそんな豆知識が出ているんだ?という疑問が驚きよりも先に出てきた、結花が正面を向くと年が同じぐらいの男子が立っていた。
結花は、ずっと暗い外に居たため目が暗闇に慣れている。
だから、その男子の容姿はすぐにどんなものか分かった。
しかし、容姿を頭で理解した時は心臓が止まったかと思ったくらいに驚きの波が結花に押し寄せた。