僕の欲しい君の薬指




「ていうか、油断すんなよ月弓」

「そ、それってどういう意味…んっ…!?!?」



秘めていたつもりの感情を見透かされてあたふたしていると、私の顎を持ち上げた珠々さんがあっさりと唇を攫った。トドメを刺す様に、私の唇を舐めた相手の口角が上昇する。


意地悪な微笑を浮かべた珠々さんは、私が雑誌やテレビで見た事のあるどんな榛名 珠々よりも、色気に溢れていて妖艶だった。


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