うた×バト〜思いは歌声にのせて〜
「私、頑張りたいんだ。苦手も克服して、優勝目指して頑張りたい」

 すぐに全部がうまく行くとは思ってない。
 そんなのは無理だから。

 でも三人と……大好きなチームメートと一緒なら、頑張れると思う。

「だからお願い、私の背中を押して! みんなの夢は、私にとって負担じゃなくて勇気を出すための理由になるから」

「そういう事ならもちろん!」
「流歌の歌声なら優勝狙えるからね」
「全力でサポートするからね!」

 藤子ちゃん、千代ちゃん、千絵ちゃんは揃って私のお願いを受けてくれた。
 四人で手を取り合って、友情を再確認する。


 そうして足を止めた私たちのそばを長澤さんが通り過ぎた。
 つい視線を向けると、丁度こっちを見たらしい彼女と目が合う。
 まあ、すぐに逸らされちゃったけどね。

 そうだ。そういえば私、長澤さんにも勝ちたいって思っていたんだ。

 彼女に認めてもらいたい。
 素顔をさらした後が怖いからって優勝を避けていたら、結局彼女からの評価は変わらないと思うから。
 そういう意味でも、私の全力を出して優勝を目指そうって思った。
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