うた×バト〜思いは歌声にのせて〜

過去の財産

 デモンストレーションが終わったらまずは予選。

 流石に予選まで実況と解説は出来ないから、キョウはデモンストレーションが終わると帰って行った。
 次に彼の実況と解説が聞けるのは明日の準決勝からだ。

 準決勝までの予選は一バトル制の《シング・バトル》なんだ。
 各学年に二クラスしかないとはいえ、中等部の一、二、三学年と高等部一学年の全生徒だからそれなりの人数がいるし。

 予選の組み合わせは事前に決められていて、訓練ルームを使って次から次へと流れ作業みたいに進められて行く。
 誘導する人員は直接《シング・バトル》をするわけじゃない作詞家、作曲家、エンジニア志望の子たちがやるんだけれど、そっちはそっちで大変そうだった。

 同じチームの子の《シング・バトル》は観戦出来るみたいだけど……。


「さ、ついに流歌の番だね!」
「期待してるよ!」
「流歌なら勝てる、落ち着いて歌って」

 藤子ちゃん、千代ちゃん、千絵ちゃんに背中を押してもらって“ハコ”に向かった。
 予選の最初のバトルに緊張していた私を支えてくれるみんなに「ありがとう」って答えて“ハコ”に入る。
 すると丁度雄翔くんからメッセージの返事が来た。
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