うた×バト〜思いは歌声にのせて〜

チームづくり

 担任の先生からは、学園内の施設やこれからの授業内容を簡単に説明された。

 授業は基本普通の中学校と同じ。
 ただ授業外の部活動とかが無くて、その時間に《シング・バトル》に係わる活動をするんだって。

「施設の案内や詳しい使い方は明日ふたクラス合同で行う。後は……」

 若い男の先生らしい力強い声でハキハキと話してくれているのは担任の植木(うえき)先生。
 一通り説明を終えると、私たちをぐるりと見回しニッと笑った。

「お前達にはチームを作ってもらいたい」

 チーム?

「プレイヤー、エンジニア、作曲と作詞。それぞれがひとチーム組めるように人数は調整してある。まずは一週間でそれぞれチームを作ってくれ」

「え? そんないきなり言われても……」
「せんせー、俺たちほとんどが今日会ったばっかりなんだけど?」

 植木先生の言葉にみんなザワザワと騒ぎ出す。
 そりゃあそうだよね。
 一応簡単な自己紹介はしたけれど、よく知りもしない人といきなりチーム組めって言われても困るよ。

「とりあえずは仮のチームだから、そこまで気負う必要はないぞ? 一学期が終わるころには改めてそのチームでいいのか確認するし、もしどうしても無理だってなったら相談にも乗るからな!」

 フォローはするからと言う植木先生は、あとは自分達で決めろとばかりに教室を出て行った。
 この状態で放置されても困るんだけど……。
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