うた×バト〜思いは歌声にのせて〜
「よっ！　数日ぶり」
「どう？　学園生活は慣れたかな？」

　軽い感じに挨拶してくれる中島先輩と、ミステリアスな笑みを浮かべる藤原先輩。

「あ、はい……まだ分からないことも多いですけど、慣れては来ました」

　私は笑顔で返事をしつつ、内心ちょっと困っていた。

　二人もいるって予想はしていたけれど、やっぱり目立つなぁ……。

　お兄ちゃん含め三人はあまり気にしていないみたいだけれど、《S-JIN》の二人が揃っている光景は注目を集める。
　この間よりは落ち着いたみたいだけど、やっぱり目立つことに変わりはない。

　まあ、今日は仕方ないか。

　諦めながらうながされた席に座ると、早速お兄ちゃんが本題に入ってくれた。

「で？　俺に紹介したい子がいるって聞いたけど……？」

　箸を持ち直し、ごはんの入ったお茶碗を持ったお兄ちゃんは藤子ちゃんを見る。
　前はいなかったから、紹介したい人が藤子ちゃんだってことはすぐに分かったみたい。

「あ、うん。この子ね、吉岡藤子ちゃんって言って、私たちのチームにエンジニアとして入ってくれたの」

　私はランチに手を付ける前に用事を済ませてしまおうと藤子ちゃんの紹介をした。
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