あなたの世界にいた私
「彼女は…
…雪乃は、
僕をアイドルにしてくれた人です。
今、ここに立てているのは、
雪乃のおかげなんです」
何か熱いものが込み上げてくる。
絶対に泣かないと心では思っていても、
身体は正直で、
涙は一つ、二つと頬を流れていく。
「僕たちは、
みなさんが思っている関係ではありませんでした。
僕の初めてのファンが、
雪乃だったんです」
涙が次から次へと流れても、僕は続けた。
言葉が詰まっても、
全部話そうと決めたから。
「それに、雪乃は言ってくれたんです。
生きる希望をくれてありがとうって。
それを聞いた時、思ったんです。
こんな僕でも、
誰かの生きる希望になれるんだなって。
それが嬉しかったんです。
だから、
例え今この配信を見てくれている人でなくても、
どこかで、
僕の存在が誰かを支えていると思って、
これからもっと頑張ります。
だから、これからも僕の…
…僕たちのファンでいてくれたら嬉しいです」