麻衣ロード、そのイカレた軌跡⑥/伝説のあの夏…、ファーストレジェンドは奇跡を生んだ!
再編へ…/その18
ケイコ




学校が終わって、私は黒沼校へ直行した

「おけい!」

テツヤだ…!!

彼は校門の前で私を呼び止めた


...


「テツヤ‥」

「おけい、待ってたぞ!いやあ…、昨日はよく頑張ったなー。はは…、お疲れさん!で、体の方は大丈夫なんだな?」

「うん、大したけがはなかったよ。とにかくテツヤ、ありがとうな…。あそこまでやれたの、完璧、お前のレクチャーのおかげだよ。人目がなかったら、抱き付いてお礼言いたいくらいだよ」

「アハハハ…、お前、とにかく最高だわ。さあ、矢吹さんが待ってるよ。行こう…」

「ああ、だが、その前にひと言いいか?」

「なんだ?」

「おとといのテツヤ、立派だった。お前は男の中の男だよ」

「でもさあ…、それってオレ的にはね、目の前にいい女がいた。気が付いたらエロ男は危険にさらされてたそのヒトの体に寄り添ってたとね。…まあ、そんなとこなんで、たいそうなことやった訳じゃない(苦笑)」

アハハハ…

これには私、校門の前で大笑いだったよ

テツヤの方も、バイクで飛ばされた打撲もさほどではなかったようで、なにしろ元気いっぱいだったし


...


黒沼高校の空手部部室…

ここには以前にも来たことがあった

「…先輩!おけい、連れてきましたんで…」

「ああ、ご苦労様、テツヤ‥」

「じゃあ、自分は行きますんで」

テツヤは部室の入り口で私に会釈すると、走ってそこから去っていった

彼の風を切る後ろ姿、相変わらずいいわ(苦笑)


...



「横田さん…」

矢吹さんは椅子から立って、私の体をひと通りチェックするかのように上から下まで視線を2往復させてから、笑顔で話しかけた

「まずは、昨夜の火の玉、ありがとう。南玉の人間として、最初に心から感謝の念を申し上げさせてもらうわ…」

先輩は一呼吸とってさらに続けた

「その上で、あの本郷と真っ向でぶつかったあなたには、敬意を表する。…大したもんだって、あなた‥」

「はあ…、ありがとうございます」

「はっきり言うわ。あなたが本郷の挑戦から逃げていたら、昨日で南玉連合は事実上、崩壊していたと思う…」

矢吹先輩…

この後、私たち二人にはわずかな時間の長い沈黙が、互いの心に入りこんでいた…

そして、先輩も私も互いの発する心を察しあったようだ

”この人、南玉を去る決意だ”

”横田は合田荒子を理解してる”

きっと私たちはこの時、双方がこう相手を捉えていたと思う…






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