麻衣ロード、そのイカレた軌跡⑥/伝説のあの夏…、ファーストレジェンドは奇跡を生んだ!
再編へ…/その20
夏美



その日の夜、私は南部さん、ミキさんの二人と喫茶店で会っていた

昨夜、紅組と南部さんらは、警官と名乗る連中に足止めを食って、火の玉川原に就いたのは夜8時半を回ったところだったそうよ

「これさ、相和会の人間を使った、本郷麻衣の工作とみて間違いないよ。墨東会のメンバーも同じような”妨害”にあってるから…、要するに、昨日はすべて本郷の思惑通りに運んだってことになるか。ただ一点を除いて…」

「南部さん…、それって本郷がタイマンに引き込んでおきながら、横田競子を倒せなかったってことですね?」

私はまず、南部さんにそうストレートに尋ねたわ

「ああ、そうだ。でもさ…、ヤツはケイコちゃんを潰せなかったことで、本郷自身、かえって喜んでるんじゃないのかな…」

「うーん、本郷は自分を燃えさせる好敵手と見たケイちゃんが、予想以上の相手だったってことで、あの子、もっと本気になった訳ね。…相川さんは、本郷が南玉にカムバックを視野に入れてるっていうケイちゃんの見解、どう見てるの?」

「私もそう思います。これ以降、本郷は南玉連合のフレーム内でケイコと戦っていくつもりじゃないですかね」

私がミキさんの問いに答えると、南部さんは肩で息をしていた…

「ふう‥、なにしろ今回でさあ、本郷は個人の損得勘定など持ち合わせていないことがはっきりしたよな。とにかくさ、普通の感覚からしたら到底、信じられないだろう。今回、南玉や我々をここまで追い込んだっていうのに、自らがそれなりの地位に就くことなどまるで関心なしで、本人的には丸裸になってもケロッとしてるんだろうな。いやあ、ヤツのメンタルはどうなってるのかな…。全く理解不能だよ(苦笑)」

さすがにここまで来ると、南部さんももうお手上げといった感じで苦笑いを漏らしていたわ


...


ここで再び、ミキさんが意味深な表情で発言した…

「でもねえ、どうなのかな…。本郷が画策した一連のアクションで、あの子以外のあっち側についた人たちが得たものって、かなり大きいでしょう?片桐さんらにしたって、紅組を出た大儀も界隈からは一定の理解を得た状況下で、昨日私たちと正面からぶつかった結果、今後の足場は確保できたと思う」

「そうだな…、それは言えてるよ。他のフリーやら弱小グループなどに至ったって、もともと根無し草だったのがさ、岩本が仕切ると思われる例のキャビネットの元で、今後は勇躍の場を与えられることになるだろうしな」

うん‥、私もそう思う

要は、本郷麻衣のムーブメントによって、赤塗りから漏れていた多くの女達が光を与えられたと…

少なくとも、これは事実だよ







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