Cherry Blossoms〜咲き誇った花の名は〜

「本田先生、ヨハン、本当に二人なんですね」

そう言う一花の唇が震えた。そして、桜士の大きな手にポタリと温かい雫が落ちる。一花の目からは涙が溢れ、流れ落ちていた。

「俺たちだけじゃないぜ。eagleみんなが助けに来た」

ヨハンがそう優しく言い、一花の頭を撫でる。すると彼女は子どものように声を上げ、泣き始めた。

「うっ……ううっ……あぁ〜……。助け、に、来てくれて、あ、あり、ありがとう……！」

しゃくり上げる一花を、桜士はそっと抱き締める。その温もりに心が落ち着き、鼓動が早くなることを感じながら、桜士は言った。

「四月一日先生、生きていてくれてありがとうございます。最悪な事態になっていなくてよかった」

一花が背中に手を回し、桜士の胸に顔を埋める。桜士が一花の頭に触れようとしたその時だった。

パンッと音が響き、桜士と一花の近くにある壁に穴が開く。桜士が振り返れば、そこにはCerberusの幹部と恰幅のいい男性が立っていた。Cerberusの幹部ーーーイエティは銃を構えたまま嬉しそうに言う。