命令教室
☆☆☆

「あと1周だ!」


走りながら視界がぼやけて、頭がぼーっとしてきたとき、前を走っていた修が叫んだ。
その声に意識がハッキリと覚醒する。
修が走りながらこちらを振り向いている。


「あと……1周……」


呟く声はガラガラに枯れていて、自分のものではなくなっていた。
だけどあと1周。
あと1週ですべてが終わる。
そう思うと涙が滲んできて、前が見えにくくなってしまった。

これじゃ走れない。
私は慌てて手の甲で涙をぬぐって最後の力を振り絞って走る。
校舎前にはすでに走り終えた充と正志が座り込んで肩で大きく呼吸を繰り返している。
走る前に怪我をしたのに、それを物ともせずに走り抜いた充はさすがだ。
私も早くその場所まで行きたくて、必死にくらいつく。


「あと半周!」


修の声に元気が湧いてくる。
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