命令教室
☆☆☆

あの声が聞こえたのは私ひとりだった。
他の4人は声がしたことを信じていなかったみたいだけれど、たしかに聞こえた!
自分の部屋で頭まで布団をかぶった私は猫のように体を丸めて震えていた。

あぁぁ……うぅう……。

その声は苦しみにうめいていて、助けを求めているように感じられた。
たった一度聞いただけの声が何度も何度も頭の中でリピートされる。
私は両手で頭を抱えて強く目を閉じた。

もうやめて!!

寒くもないのに体の震えは止まらない。
結局一睡もすることなく、朝日が窓から差し込み始めたのだった。
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