命令教室
☆☆☆

少しうつらうつらして次に目を覚ましたとき、教室の様子が違っていた。
さっきまでみんな思い思いに座ったり寝転んだりしていたのに、今は全員立ち上がって教室前方に集まっている。


「起きた?」


修が私と香が目覚めたことに気がついて手招きしている。
すぐに立ち上がって駆け寄ると、みんながホワイトボードを取り囲んでいるのがわかった。


「どうかしたの?」


聞くと、ホワイトボードの前に立っていた充が場所を開けてくれた。
そこに書かれていたのは……『イジメの日 失敗』という文字だ。
その文字を見た瞬間血の気が引いていく。


「なにこれ、誰が書いたの!?」


香が悲鳴のような声で質問するが、誰も返事をしなかった。
みんな青ざめて絶句してしまっている。
それだけで誰もこの文字を書いていないことがわかった。


「気がついたら、書かれてたんだ」


どうにか修が声を絞り出して答える。


「でも、イジメ失敗ってどういうこと?」


充たち4人が、潤をイジメたはずだ。
それなのにホワイトボードには失敗と書かれている。
これじゃ矛盾している。


「……きっと、私達が本気でイジメられなかったからだよ」


震える声で言ったのは未来だった。


「え?」
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