王子様との奇跡な恋をⅢ
唯一「思うように素直になれないし、何かをする度に、嫌われるんじゃないかって思ってばかりで伝えられないし。1番は……。」
聡「1番は?」
唯一「……唯人さんを独り占めしたいって思って、嫉妬して勝手に思い悩んで。自分の思いに気づいてくれないとイライラ、モヤモヤして喧嘩になって。」
聡「輝かしい恋ではないな。」
唯一「うん。」
「真反対な恋をしてる。恋がこんなにどす黒いとは思はなかった。」
聡「どす黒いとは、えらく極端な表現をするものじゃな。」
唯一「極端な話、恋は色んな色が混ざって……混ざった後にどす黒い色になってることに気づくんだと思う。絵の具なんだよ。」
聡「確かに……そういう恋もあるのは確かじゃから否定はできないがな。」
唯一「うん。」
聡「じゃが、ほんとに唯一たちの恋はどす黒い恋に染まってしまっておるのか?まだ鮮やかだと老いぼれには見えるがノ?」
唯一「私たちが?」
聡「ここにある花たちのようじゃよ。」
唯一「…………。」
花に目を向ける。