王子様との奇跡な恋をⅢ
聡「恋をしておると知らない自分を知ることになるから、そんな自分に戸惑うのも分かるし、嫌になるのも分かる。けど、それは恋をしている人達の特権じゃよ?今のその感情をもっと楽しみなさい。今から咲くこの花たちの蕾のように唯一たちの恋はまだ色付き始めたばかりじゃ。」
「それに、悩んでおるのは唯一だけとは限らないと思うぞ?恋をしておる奴はみな等しく同じ悩みを持っておるのを覚えておきなさい。」
唯一「じゃあ唯人さんも同じこと思ってるの?」
聡「それはワシに聞くことじゃないと思うぞ?本人に聞くといい。ほら偶然にもそこに唯人がおる。」
唯一「なんですと?予定よりまだ1時間も前だよ?」
聡「はて?そうだったかの?」
「まぁおじいちゃんからのもう1つの誕生日プレゼントじゃよ。長めに話し合いなさい。」
唯一「意地悪。」
聡「恋は強硬手段が1番手っ取り早いんじゃ。わしも青春したいのー。」
唯一「おばあちゃんに言いつけるよ?」
聡「それはいかん!怒ると怖いんじゃよ。」
唯人「昨日ぶりです……。」
聡「そうじゃの。……唯人。」
唯一「私……二人を会わせたことないけど?カフェで知り合ったとか?」
唯人「…………。」
聡「せっかくここまで来たのだから全て話してしまえ唯人。」