王子様との奇跡な恋をⅢ
唯人「それだと約束が……。」
聡「ギリギリセーフじゃ。はっきりしない男は嫌われるぞ?それに時には知らない方が辛い時もある。だから教えてあげなさい。」
唯一「なんの話しを……。」
聡「唯一、唯人。会話は楽しいぞ。相手の知らなかったことも知れるし、驚きがたくさんだ。恋する相手を知るのに1番いい方法じゃろ?」
「じゃ、ワシは今から婆さんと歯医者へ行ってくるからの。」
唯一「そこはデートに行くぐらいのロマンチックを見せて欲しかった。」
唯人「現実を見せられたね。」
唯一「…………。」
唯人「…………。」
「とりあえず、座ろうか。」
唯一「うん。」
唯人「君は昔から、甘いものが好きだったね。」
唯一「昔から?」
唯人「特に、パンケーキが好きだったのを今でも覚えてる。パンケーキの上に乗ってるフルーツが欲しいって泣いてお願いされて、その日から君とパンケーキを食べる時はいつもフルーツを先に俺の分をあげてた。」
唯一「なんで……。」
唯人「他にも知ってる。君の好きな色、君の……好きな絵本も本当は知ってた。」
唯一「なんで……。」
唯人「昔……公園で一緒に絵本を読んでいた人が居たって話を俺にしてくれたことがあったね。」
唯一「カフェに通い始めた時。」