王子様との奇跡な恋をⅢ


唯人「声の方へ走っていったら、唯一が見知らぬおじさんと一緒に居て。唯一が『離して!』『助けて!』って叫んでた。」



゛そうだ。知らないおじさんに声をかけられて、無理やりどこかへ連れていかれそうになっていたんだ。゛




唯人「誘拐だと思って、咄嗟にそいつを殴って唯一を助けたんだ。そいつが倒れたのを確認して泣いてる唯一の所へ駆け付けたら……。」




唯一「気絶してたわけじゃなかった。」



唯人「そう。そいつはすぐに起き上がって、俺に襲いかかってきた。」




唯一「そこで私の記憶は終わってる。」




唯人「うん。俺は襲いかかってきたそいつを何とかしようとしたら唯一が巻き添いになって頭を地面に強く打ってしまったんだ。」




唯一「それで……。」




唯人「それに気づいて唯一の所へ駆けつけたところで偶然通りかかった警察が助けてくれて。犯人は逮捕されたけど唯一は3日間目が覚めなかった。」





唯一「そんなに……。」




唯人「医者によれば脳を打ったことによって、記憶障害とか意識障害の後遺症があるかもしれないって言われた。その話をされたあと、聡さんと話をしたんだよ。」





唯一「おじいちゃんと?」




唯人「うん。」





*15年前



聡「君が、唯人くん?」




唯人「どちら様ですか?」

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