夏の終わりに僕は恋をする




「要くん!」





背中に向かって声を掛けると"ああ"と返事をする。アイスが溶けないようにいつもより速く自転車を漕いだせいで息があがる。





「なんでそんな疲れてんの」


「これ一緒に食べようと思って……溶けちゃったらダメだから……」





そう言って2本のチョコとバニラのアイスを差し出す。





「どっちがいい?」


「別にどっちでもいい」


「じゃあわたしチョコ!要くんはバニラね」


「……ん。ありがと」





二人で封を開けてアイスを口に含むと甘さがじわあっと広がって汗だくな体に染みる。





頑張って溶けないように急いだとはいえ、やっぱり少しだけ溶けてて。





「……垂れそうだけど」






それを見た要くんがすかさず自分の手を差し伸べて、下に落ちそうなアイスを受け止める。





「あ、ごめん……手汚した」


「別にこのくらい良い」





そう言って手についたアイスを舐めとる。その仕草になんだかドキっとして心臓が早くなっていく。


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