夏の終わりに僕は恋をする
やっぱり人の事バカにしてたんだ……!!本当に要くんって人をからかうのが好きなんだから。
「要くんはさ、この場所以外あんま行かないの?」
「いや、そういう訳でもないけど。ここが1番好きだからよく来るだけ」
「ふーん。じゃあ明日は散歩しない?」
「散歩?」
「いつも同じ景色だと……なんかあれじゃん?」
「つまり飽きたって事だな」
「うっ……そうじゃなくて気分転換しよ!」
「あーはいはい分かった。いいぜ」
要くんに会うのが飽きたとかじゃなくて、あまりにも川で会うことが当たり前になりすぎていて。
二人の居場所感があっていいけど、たまには違う景色も見てみたくなった。せっかくこっちへ帰ってきたんだもん。小さい町でも知らない場所だってあるかもしれないし?
"また明日ね"と別れると、明日は要くんと一緒に散歩出来るんだと思うととてもワクワクした。家に帰ると、おばあちゃんがリビングでテレビを見ていて。
「ただいまー、あれお母さんは?」
「買い物に行ってくれてるよ、本当に毎年帰ってきてくれると助かるねえ」
「ふふそっか、良かった」
早くしておじいちゃんを亡くしたおばあちゃんは田舎の家に一人暮らしで。全然動けるから心配しなくて大丈夫だと言い張って未だに一人暮らしを続けている。