夏の終わりに僕は恋をする





おばあちゃん家に来て3日目。特に家にいる時と何も変わりなくテレビを見たり宿題をしたりなんな変わりない日常を過ごしていた。




「ふわぁ〜……」




つまんない数学のプリントとにらめっこしていると自然とあくびが出た。勉強なんかしてても退屈だな〜。




わたしには兄弟も従兄弟もいない。毎年おばあちゃん家に帰っても子供はわたししかいなかった。同い年くらいの子達と遊ぶ事もなかったしこっちに帰ってくるのは好きだけどやる事はないのだ。




あーあ、葉月は何してるんだろう。携帯を開くとみんなの楽しそうなSNS。海へ行ったりBBQしてたり。




そういえばあの男の子…、あの辺に住んでるのかな。数日前に出会った同い年くらいの男の子。あの一瞬しか話さなかったのに脳裏から離れなかった。




もう誰でもいいから友達が欲しい、なんて。










「いってきまーす」


「暗くなる前には帰ってくるのよー」


「はーい」







やっぱりあの男の子の事が気になった私は外へ行ってくる!と言い家を飛び出した。





もしまた会えたら仲良くなれるかもしれないし……?そんな淡い期待を込めて、初めて出会った川の場所へと向かう。あの時は流されかけたけど近付きすぎなかったら大丈夫だよね?




自転車を借りてそれに乗ると自然と立ち漕ぎになってしまう。どれだけその男の子がいることに期待しているんだろうと自分でも笑えてしまう。






川の付近に到着すると、自転車を停めて周りを見渡す。






数日前と何も変わらない景色。ただ、あの日私を助けてくれた男の子の姿はどこにも見当たらなかった。




……まあ、そんな簡単に会えるわけないか。




少しだけ期待していた自分が恥ずかしくなって、思わず苦笑いがこぼれる。



せっかくここまで来たんだし、もう少しだけ涼んで帰ろう。そう思って川辺へと足を進めた、その時だった。





「……何してんの?」




不意に背後から聞こえた声に、思わず振り返る。



そこに立っていたのは、数日前からずっと頭を離れなかった、あの男の子だった。
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