上司の甘い復讐




重い足取りでオフィスを出ると、随分暑くなった夏の熱気が押し寄せる。

ネオン街の中を、暑さに負けじと身を寄せ合うカップルを見て、涙が出そうになった。

彼女は私なのに。

翔太さんのこと、好きなのに……





そんななか、不意に


「おい」


声が聞こえた。

それが突然すぎるのと、予想以上に近くから聞こえたから、


「きゃぁぁあああ!!」


私は声を上げていた。

周りの通行人が驚いてこっちを見て、「痴漢?」なんて声も聞こえる。

私はどぎまぎしながら声のしたほうを見ると、なんと近くのベンチに翔太さんが座っていた。

そして再び私は、


「きゃあぁぁぁあ!!」


大声で叫ぶ。


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