上司の甘い復讐




翔太さんがイラついているだけではない。

このオフィスにいるとんでもない頓珍漢の存在を、私は忘れていた。


「またまたぁ!

大倉さん、そんなこと言って」


なんと山村君が笑いながら口を開くのだ。


「大倉さん、照れているだけでしょう?

僕はちゃんと聞きましたよ。

大倉さんが山村君と付き合っているって言った言葉を」


「いや!言ってないし!!」


思わず反論するが、もうみんなは分かってくれないようだ。

大倉の彼氏はハゲだとか山村君だとか、口々に議論を始める。

そして翔太さんはもう聞く気もないらしく、パソコンを見始めた。

こうなってはお手上げの私はしゅんとして席に戻り、パソコンを付ける。


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