上司の甘い復讐
私は恨めしげに彼を見上げたが……
「キャリーバッグは俺が持つ」
その言葉とともに、キャリーバッグをぶんどられる。
だから思わず、
「ど、泥棒!?」
いつかのように声を上げてしまった。
そう、翔太さんは強引だが、ちゃんと優しい。
だけどドキドキしている暇なんてない。
打ち合わせまで時間がなくなってきているし、さらに翔太さんは仕事モードだ。
仕事モードの翔太さんには何を言っても効かないだろう。