上司の甘い復讐



社長さんは翔太さんと話しながらも、彼の隣に座る麻理子さんをちらちらと見ている。

麻理子さんが美人で色気があるからだろう。

それに比べて私なんてただのお子様みたいで、恥ずかしくさえ思った。





私が出る間もない会議は無事に進み、社長さんが資料を取りに席を立つ。

その瞬間、目にも止まらぬ早技で、山村君が置いてあった抹茶のお菓子を口に詰め込んだ。

いいなあ、私も食べたいなあ、なんて思ってしまう。

だけど、山村君みたいに口に詰め込んでいるところを相手に見られてしまったら、よく思われないだろうなあ。


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