上司の甘い復讐



一連のやり取りを見て、麻理子さんは面白そうに笑っている。

相変わらず、美脚をスカートから覗かせながら。

翔太さんが何も言わないものだから、麻理子さんの笑い声だけが響いていた。

そしてその笑い声がようやく落ち着いた時、今までの喧騒が嘘のような静寂が訪れた。

その静寂の中、ようやく私はこの気まずさに気付いたのだ。



山村君が倒れた今、ここにいるのは三人だけになってしまった。

私と、翔太さんと、翔太さんの元カノの麻理子さん。

これから二人はどんな話をするのだろう。

そして私は、どこまでショックを受けるのだろう。


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