上司の甘い復讐



「やだ」


ありったけの嫌悪を込めて言う。


「圭介と別れたの、なんで?」


聞くと、彼は悪びれる様子もなく言う。


「僕に彼女が二人いたから」



浮気じゃないんだ。

彼女が二人、なんだ。

私とは結婚しようと言っていたのに、その彼女にも言っていたのだろうか。

考えれば考えるほど苛ついてくる。


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