上司の甘い復讐
「ハゲ崎……」
私の震える声は、
「誰がハゲだ」
大好きなその声に掻き消された。
見上げる間もなく、ぎゅっと抱きしめられる。
そしてその大きな胸に顔を押し付ける形となる。
その香りと体温に包まれ、身体を震わせる私。
恥ずかしさと悲しさと嬉しさで、頭が真っ白になる。
ハゲ崎は私を追ってきてくれたんだ……
「ハゲ崎……」
「ハゲてねーよ……」
ハゲ崎は低い甘い声で呟き、さらに私を抱きしめる。
「逃げるなよ、せっかく手に入れたんだから」