上司の甘い復讐
切なげな声に驚き顔を上げると、ハゲ崎と視線がぶつかった。
彼はミキを見る瞳と同じ、優しくて切ない瞳で私を見る。
「お前の嘘なんて、見え見えだ」
「……えっ!?」
「でも、俺のこと、好きになってくれたんだろ?」
「……」
口を噤む私に、そっと唇を重ねる彼。
甘くて優しいキスが降り注ぐ。
ハゲ崎は意地悪だ。
こうやって、私を離さずに……安心させてくれる。
「好きだ、瑞希」
その胸に抱かれて、また新たな波を流し、幸せだと思った。
ハゲ崎が大好きだと思った。