上司の甘い復讐
オフィスに戻ると、彼は電話中だった。
いつものように苛立ちながら電話をしていた。
あんな態度で電話されると、相手も嫌な気分だろうなと思う。
だけど仕事は際立って出来る彼は、私と四歳しか変わらないのにもう課長だ。
仕事は出来るしかっこいいし、もちろんハゲでもいない。
悪いのは性格だけだと思っていたが、実は性格もいいなんて……
ぼーっと彼を見ていると、一瞬視線が合った。
だから赤くなって下を向く私は、挙動不審だ。
大嫌いだったのに、こうも彼に狂わされているなんて。